神聖祭2日目。

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「お前が、何でこの世界に居る?」 佐藤 一真(さとう かずま)は、俺の2つ上の兄貴。俺達は2人兄弟だ。 小学校の頃は、仲が良い…とまではいかないが、たまに兄弟喧嘩をするくらいで。 その仲が崩れたのは、俺が中学2年の時だ。 「何で、って…斗真と同じ様な理由だ。勇者を殺せってな」 「…ふざけるな」 「ふざけてねぇよ。俺は、翼を殺す為にここに呼ばれたんだ」 まさか、俺があの有名なルシファーになるとは思わなかったけどな。と笑う兄貴。 確かに、見た目は堕天使リストに載っていたルシファーそのものだ。 魔王退治、だなんてもん…何の興味もなかったが…相手がこいつなら、話は別。 「本城の親父さんを殺しておいて…まだ足りないのか、お前」 「ああ、そんなこともあったなぁ」 そんなこと、だと…? こいつは顔に笑顔が張り付いている気持ち悪い男だ。 だが、その本性は…ただの残忍な男。 「何考えてんだよ…本当に、どこまでもクズなんだな…親父と一緒だ。クズだよ、クズ」 「そのクズと斗真も血が繋がってんだろ?お前もこっちに来いよ。楽しいぞ?」 「行くわけねぇだろ」 剣と禁忌魔法を使っての攻撃を避け、こっちも攻撃をする。 それの繰り返しで…お互いに、攻撃が当たることは無い。 そんな事をしているうちに…こいつの発言にはかなりイラつくが、やっと気持ちが落ち着いてきた。 さっきまで最悪だった魔法の質も元に戻し、コントロールも的確なものへとしていく。 「ちょっとちょっと…本当に兄ちゃんの事殺そうとしてね?まだ本調子じゃねえんだぜ?」 「知るかそんなもん。死ねよ」 全属性の魔法攻撃を、余すことなく使っていく。 全て神級魔法で。
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