神聖祭2日目。

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避けるのを諦めたのか、ピタと動きを止めた兄貴。 追尾機能を持った球体は、全てが兄貴へと向かい…爆音と共に当たって破裂した。 無魔法は全てを消し去るものだ。 姿、形もなく消え去るだろうと思っていたが 「挨拶だけって言ったのに。思っていたより好戦的な人なんだね。面白いからいいけどさ」 「魔王様をそう簡単に殺させるわけないでしょう?ま、さすが半神ですね。いい人材ですよ、あなた」 兄貴を守るように立つのは、14人の堕天使。 全部消しやがったのか、あいつら。 「こんな力があるのに何でこっち側につかねぇんだよトーマ。もったいねぇとは思わねーの?」 サリエル、ベルゼバブに続き口を開くのはベリアル。 俺の使い魔だった奴。 「邪魔するなら…お前ら全員殺すまでだ」 こっちは殺したくて殺したくて仕方がなかった男が目の前に居るんだ。 そう簡単に逃がすわけねぇだろ? 「その言葉だけ聞くと、完璧に悪魔ですね」 「うるせぇんだよ。お前から殺してやろうか?ベルゼバブ…」 話になりませんね、と手を上げるベルゼバブは堕天使全員に目配せをする。 何だ?と思っていれば、全員が俺の元へと攻撃を仕掛けてきた 「トーマ。悪く思うなよ…?」 そうボソリと話したベリアルの言葉を気にすることなど出来るはずもなく…俺は攻撃を避けるので精一杯だった。 力を取り戻していないと言っていた兄貴と同等か、それ以上の実力を誇る堕天使14人の相手をしているわけだから。 当たれば確実に体のどこかを持っていかれそうな魔法や、確実に死ぬ魔法、動けなくなる魔法…あちこちから飛んでくる攻撃を避け続けられるのはあと何分だろうか。 「大丈夫だよ、そんな顔しなくても。殺しはしないからさ」 俺とは違い余裕を醸し出すサリエルの言葉にさえ、耳を傾ける以外は何もできない。
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