神聖祭2日目。

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躱しきれない攻撃に当たりながらも、反撃をしていく。 無魔法の身体強化が何度も何度も堕天使の攻撃によって破壊され、これで強化し直すのは何回目だろうか。 痛みを感じないとはいえ、俺の体には傷が付いていく。 生身の状態では攻撃に当たっていなのに…横を過ぎるだけで体が腐食するような強力な魔法。 それでも、傷を治す時間すらもなく攻撃は次々に飛んでくる。 「くそ…」 漏れ出た声はそれだけで。 傷は全身へと広がっていき…段々と体が麻痺して動かなくなってくる。 目の前に兄貴が居るのに。あと少しで殺せるのに。 「やっぱりこの人数を1人で相手するのはきついようですね」 「黙れ」 「強がっても無駄ですよ?」 ベルゼバブがふぅ、と息を吐いた瞬間 「今日はこの辺で勘弁してあげるよ」 後ろからサリエルの声が聞こえたと思い振り返ると、今までの攻撃とは比にならない魔法が飛んできていた。 赤黒い、血の様な色をした斬撃。 それはサリエルの武器でもある鎌から放たれたもので。 これまでか。 と諦めた瞬間、その斬撃が別の攻撃によって破壊される。 「佐藤…!」 「来るん遅なってすまんなトーマ」 こっちへやって来たのはイケメンとオカッパだった。 それだけじゃない。アホズラに変態…そして白髪までもが、こっちへ駆けつけてきている。 「何してんだ…」 そう声を掛けても、誰も返事をすることはなく。 俺を守るようにして堕天使達の前へと立つ。 「ロン毛さん。いつもと違ってボロボロですね…天罰ですか?」 「殺すぞお前…」 そして猫女も。その隣には、魔人が立っている。 「いいのか、人間の味方をして」 「俺が恩をもっているのは前のルシファー様だ。あれ、どう考えてもルシファー様じゃねぇだろ?」 「残念ながら中身は俺の兄貴だ」 それなら、問題ない。と笑った魔人。
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