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複数の新しい魔法を生み出し、強力な技を使うことの出来る勇者でさえ、ルシファーを倒すことは出来なかった。
魂を死滅させても、体が残っていれば再び復活する。
それに、全天使の体は引き裂いたとしても高速治癒能力がある。
そして、勇者にも殺せなかった。
ルシファーとの戦いが終わった後、詳しくは語らなかった勇者だが…その為に封印という方法を選んだのかもしれない。
現段階では、それからは長きに渡り平和が訪れている。
当時の民達も、平和を取り戻せた歓びによってその事実に気付かなかったのかもしれないが…
封印が解ければ、再び混沌は訪れる。
殺し方が分からない以上、真の平和が訪れたとは言えないのだ。
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「これが、この文献に書かれていたルシファーの生態です」
王が全てを話し終えると、クラハは本を閉じた。
残念な事に、あのクズ兄貴を殺すには重大な問題があるということ。
「魂と肉体を両方死滅させなければ、ルシファーを倒すことは出来ません」
王の話、それはルシファーを殺す方法だった。
「1000年前の勇者様にも、強力な仲間が居たと言われています。ですが…それでもルシファー討伐はなし得なかった」
だから今度こそ…と、話す王の言葉に、こちら側は全員黙ったままだ。
今になって自分が今から立ち向かうものの大きさに怯えた…というワケではない。
「取り敢えず殺して、体も再起不能にすればええんやろ?」
「そうですね。話は簡単ですが…きっと、難しいことなのでしょう」
オカッパは、気楽に。白髪は、慎重にこの話を受け止め
「きっと何か方法はあるはずだよ!弱点の無い生き物なんて居ないはずだし!」
「うん、そうだな!俺たちなら、何とかなりそうな気がする!」
「ジュリア様がそう仰るなら、必ず上手く行きますよ!」
…………イケメンはイケメンらしく。アホヅラは根拠の無い自信を持ち、変態は盲目的な考え。
この3人の発言で、一気に不安が増したのは俺だけでは無いと思う…。
気楽過ぎるのにも程があるだろう。
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