勇者御一行。

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そのすぐ後に知った事だが、親父が殺した人間の中に、イケメンの伯父が居たらしい。 イケメンの母親の、弟。 それにも関わらず俺の母親を心配して家まで来てくれたそうだ。 イケメンとは小学校が一緒で、その時から今と変わらない性格だった。 だからマセた女からモテていたし、俺も名前だけは知っていた。 母親同士も、昔同級生だったらしい。 お互い家庭を持ち、会う機会も減っていたらしいが… 『皐月の旦那が捕まったって聞いて驚いたわよ。ごめんね、連絡も無しに押し掛けちゃって』 ニュースを見て慌てて来たらしい。 弟を理由も無しに殺されたのに、その悲しみよりも母親を想って来てくれた。 そこはイケメンに遺伝したのかもしれない。 人を思いやる心を持った、綺麗な人だった。 『はじめまして!俺、本城 翼って言うんだ。君は?』 『佐藤 斗真…』 これが、イケメンとの出会いだった。 最初は今みたいにウザいなんて事を思うこともなく…ただ、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。 そこから、イケメン達はよく家に来るようになった。 母親を励ます葉月と、俺の遊び相手をしてくれるというイケメン。 学校に行っていなかった俺にとっては、少しありがたい存在だった。 兄貴と、イケメンと、俺。 3人でよく遊んだのを覚えている。 兄貴もイケメンを俺と同じように弟みたいに可愛がって、今の関係とは真逆の仲だった。 母親は引越しを考えていたらしいが…その必要は無いと、イケメンの母親が手を回してくれていたらしい。 学校にも話をつけていると。 だから、そろそろ学校に通ってもいいんじゃないかという提案に乗り、次の週から復学することになった。
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