勇者御一行。

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それから数年、イケメンとも腐れ縁に近い仲になった頃。 俺達は中学に上がった。 俺達は中1、兄貴は中3。 小学校と中学校で、兄貴とは2年間学校では会わなくなっていたが…また兄貴と一緒に通えると、俺は喜んでいた。 『お兄ちゃん!一緒に学校行こうぜ!』 『ばーか。兄ちゃんは今思春期っていってな、デリケートな時期なんだ。斗真とは仲良くしちゃいけないんだよ』 なんだそれ。 そんな事を思いながらも、兄貴には気まぐれな性格もあるからと別に気にしてはいなかった。 仲良くしないとは言っても、家では今まで通り普通に接していたし。 そして入学式も終わり、初めての授業。 何校かの小学校に通っていた奴らが纏めて同じ中学になる為…また、他の小学校の奴らに 『人殺しの子供だ』 と言われた。 死刑判決を下された親父。その頃には執行されていて、この世には居なかった。 親父が死んでもそんな事を言われるのか、と少し思ったが…イケメンがまた庇ってくれた。 『斗真は悪くないんだから、落ち込む必要なんてないよ!』 『落ち込んでねぇし!』 こんなに想ってくれる友達が出来た事は嬉しかったが… その当時でもたまに、無言電話や差出人不明の手紙が届いたりしていた。 事件直後は頻繁にそういうのが来ていたから…俺は母親を悲しませる親父が嫌いになっていた。 そして、そういう事を言うクラスメイトのことも。 こういう人種が、母親を悲しませる人間になっていくんだと。 中学に入って、俺は少し冷めた性格になっていたかもしれない。 友達と認めた人間には普段通り、それ以外の人間には無関心。 その性格は、この頃に出来た。 普段通りといっても、この頃はもっと明るい性格だけど。
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