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~被告人Aへの聴取1~
どうも、はじめまして。
……あ、僕の名字読みづらいので、名前で呼んでくれて構いませんよ。
それでえっと、僕は貴方のことをなんて呼べばいいんでしょうか?
うーん、まぁ普通に「先生」とかでいいですか?それとも、僕もお名前で呼んだ方が…あ、先生でいいですか?わかりました。
でも、先生が優しそうな人で安心しました。今まで僕に尋問してきた刑事さんはすごい怖い人だったから……ってこの話その刑事さんも聞いてるのか。やばいやばい。
でもまぁ、僕のしたことを考えたら刑事さんの僕に対する態度は、至極当然のものですよね。
あ、先生もすでに僕のしたことご存知ですよね? というか、だいたいあんなにニュースに取り上げられたんだから、今日本で僕のことを知らない人はいないんだろうけど……。
はい、ご存知の通り、人を殺したんです。それもたくさん。まぁいわゆる大量殺人、ってやつですね。
え、人数ですか? あー、さっき刑事さんに教えていただきました。確か13人……でしたっけ?あ、11人。すみません、記憶力悪いんです。
いや、本当はもっと殺す気だったんですけどね。人ってなかなか死なないっていうか、なんというか……まぁ目標は20人ぐらいだったから、半数こえただけでも良しとしますか。
え、なんで殺したのか? うーん、そうですね……簡単に言うと、「救済」でしょうか。
はい、僕は皆をこの世から救済してあげたんです。皆が救済を求めているのかどうかは関係なく、ですがね……。
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