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～被告人Aの隣人の証言～
どちら様ですか……またあの事件についてですか。
こっちはもう連日いろんな人に話を聞かれて……ただアパートの隣の部屋に住んでた、っていうだけなのに、全く迷惑な話ですよ。
特に喋ったこともないですしね。
まぁ廊下ですれ違ったりしたら挨拶するほどの付き合いでしたよ。今時隣人との関係なんてそんなもんでしょ。
けど、この前まで隣の部屋に殺人犯が住んでた、って考えると本当ゾッとしますよね。
だってもしかしたら俺も殺されてたかもしれないんですよ！？
すぐに捕まってくれたから良かったものの……。
人を殺す奴なんて理解できませんね。
あいつの家族について？ 確かあいつは父親と母親と、弟が1人いたんですよね。
俺もその3人とはたまに廊下ですれ違ったりしましたよ。
父親は普通のサラリーマン、って感じでしたね。
母親も、俺の見た感じは優しい普通の人、って感じがしました。
弟は……8歳ぐらいでしたかね。すごい大人しい感じの子でした。廊下でもちゃんと挨拶とかしてきましたからね。
ほら、俺も弟がいるからわかるんですけど、あの年の子供って生意気なやつ多いじゃないですか。
でもその子は本当にいい子だ、って印象を受けましたね。
で……最後はあいつですね。あいつは……すごい好青年でした。最初俺はあいつが殺人を犯したなんて信じられませんでしたし。
あ、もちろん今はあいつのこと軽蔑してますよ？
いや、なんというか、人は見た目に寄らないってこのことですよね。
けど、あんな平凡な家庭から殺人犯が生まれるなんて……。
不思議なんですよね。本当に平凡な家庭から突然殺人犯が生まれたのか……それとも「平凡な家庭」ってのがそもそも嘘だったのか……。
まぁそれも今となっては確認出来ないんですけどね。
だってほら、あいつは自分の家族までをも殺してしまったんだから……
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