番外編:藤原昴

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 顔は顰めてしまうが、そこは勘弁して欲しい。 「琢己を頼む」  軽く頭を下げると、その場にいた全員より息をのむような音を発せられた。  何なんだ。 「わ、珍しいもん見ちゃった」  大地。絞め殺すぞ。 「昴、熱とか無いよね?」  千昭。慌てるな。 「はい! 任せてください!」  胸をどんっと叩き、その衝撃にむせはじめた斑鳩。本当に大丈夫か。  そして琢己は――とても綺麗に微笑んでいて―― 「ありがとう、昴」  糞。そんな風にされるとさすがに、照れてしまいそうだ。  ふと、千昭がやけにこちらへ身体を寄せていることに気が付いた。 「おい、狭いだろうが」 「あっ、ごめん」  そう言いながらも離れようとはしない。どうかしたのか。
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