537人が本棚に入れています
本棚に追加
顔は顰めてしまうが、そこは勘弁して欲しい。
「琢己を頼む」
軽く頭を下げると、その場にいた全員より息をのむような音を発せられた。
何なんだ。
「わ、珍しいもん見ちゃった」
大地。絞め殺すぞ。
「昴、熱とか無いよね?」
千昭。慌てるな。
「はい! 任せてください!」
胸をどんっと叩き、その衝撃にむせはじめた斑鳩。本当に大丈夫か。
そして琢己は――とても綺麗に微笑んでいて――
「ありがとう、昴」
糞。そんな風にされるとさすがに、照れてしまいそうだ。
ふと、千昭がやけにこちらへ身体を寄せていることに気が付いた。
「おい、狭いだろうが」
「あっ、ごめん」
そう言いながらも離れようとはしない。どうかしたのか。
最初のコメントを投稿しよう!