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──芽衣が、他の男といるだけで理性がふつりと切れてどこかに飛んで行ってしまいそうで。
操が隣にいなければ、追いかけて行って問い詰めてしまいそうだった。
何してんだよ、と。
見境がないにもほどがある……。
「木島?」
「……いや、何でもない。今日、ちょっと暑いな」
「……? そう……?」
俺の様子を気にしてか、否定をあからさまにせず操は肩をすくめる。
ジャケットを着るくらいだから、肌寒いんだってことは判ってる。
けど、そうでも言わないと、落ち着けそうになかった。
……こんな俺のどこが冷静なんだよ。
芽衣が他の男といたくらいで、こんなになっちまうってのに。
お前の目は節穴だ、操よ。
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