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今、初めて気付いたけど。
「風俗店の店長さんが、こんなところで人目を憚るみたいに、商品である女の子に何をしてたんですかねえ」
たっぷり嫌味を込めてそう言ってやると、男は俺の意図が判ったのか、ぴくりと眉を動かした。
「店の商品は、俺の持ち物だ。どう扱おうと、俺の勝手じゃないか?」
「……! ちょっと……!」
怒りをあらわにする芽衣を抱きすくめ、おとなしくさせる。
芽衣はビクッと反応して、おそるおそる俺の顔を見上げた。
そんなに俺の反応が気になるのなら、ちょっと黙っていて欲しい。
ここからは、男の話だ。
……まあ、彼女に別の顔があるかも知れないなんてことは、百も承知だ。
どこへ行っても、俺の腕の中にいるときと同じ顔をされても、困るし。
「店の責任者がそんなんじゃ、女の子は大変だな。だから、愛想尽かされるんじゃないの」
「……。言うな、あんた」
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