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そんなこんなで、久しぶりに操と2人で昼メシを食いに行く流れになった。
俺が操と2人になることは、仕事上何年も続いてきたことで、そう珍しいことじゃない。
それでも芽衣がこの光景を見たら眉をひそめるんだろうな、なんて思ったりもしたが。
そうして当たり前について回る芽衣の気配を心地よく感じながら、こういうしがらみなら悪くないと思えた。
我ながら最低なことだが、梓と一緒にいたときはそんなふうに考えることなんてなかったし。
胸の中で前妻に手刀を切りながら、操を連れて近くの定食屋に入った。
うちの会社の食堂でもよかったのだが、今日は少し込み入った話になりそうだということは自分から振って、判っていることだ。
社の連中が来ない場所がいいと思った。
初めて入ったその定食屋は、店内に足を踏み入れた瞬間卵と出汁、そして油もののいい匂いがした。
この匂いだけでアタリだと思える。全体的に白を基調にした、定食屋らしい内装だった。
こういうところなら、まずは親子丼かカツ丼を注文するものだ。
腹が減っていたから、今日はカツ丼を注文した。
操は食欲があまりないとぼやきながら、たぬきうどんを注文していた。
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