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「何をしてるのよ。芽衣が待ってるんでしょう?」
「うん、そうなんですけど」
俺の前でだけ、美智子さんは“女”ではなく“母親”の顔を見せる。
なんかそれが軽く優越感とか、ガキだな俺。
「言っておきますけど、水商売の女の娘だからって軽く見たら、ただじゃおかないわよ」
「そんなつもり、ないですって。遊ばないようにここに来てるんです」
「遊びたい気持ちはあるわけ。ふうん」
ジトリ、と美智子さんにまた睨まれる。
「美智子さん」
「なあに」
「この、クズ、バカ男って罵ってもらえません?」
「は? 何を言ってるの」
──客だったときにはしてくれたリップサービスはもう貰えないらしい。
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