彼女の言葉は半端じゃなかった。

3/37
109人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
  「何をしてるのよ。芽衣が待ってるんでしょう?」 「うん、そうなんですけど」  俺の前でだけ、美智子さんは“女”ではなく“母親”の顔を見せる。  なんかそれが軽く優越感とか、ガキだな俺。 「言っておきますけど、水商売の女の娘だからって軽く見たら、ただじゃおかないわよ」 「そんなつもり、ないですって。遊ばないようにここに来てるんです」 「遊びたい気持ちはあるわけ。ふうん」  ジトリ、と美智子さんにまた睨まれる。 「美智子さん」 「なあに」 「この、クズ、バカ男って罵ってもらえません?」 「は? 何を言ってるの」  ──客だったときにはしてくれたリップサービスはもう貰えないらしい。 .
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!