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「それは、私があの娘の母親だって判っても?」
「そうですよ。普通の家庭の親御さんだったら、さすがにしませんけど。でも、美智子さんは普通の人じゃないし。俺のことも前から知ってるし。芽衣のお母さんだからって、俺とあなたの信頼関係が反故になるわけじゃないし、そうやって甘えていっても、美智子さんなら線を引いた上で聞いてくれるかと思って……」
一気にそう言ってから、クイッと更に薄まった水割りを飲む。
まずい。
すると美智子さんは軽く眉尻を下げ、しょうがないわね、という顔をした。
「さすが、第一線で働くサラリーマンはうまいこと言うわね。いい女って褒められたみたいで、ちょっといい気分」
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