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「開き直るのはよせ。なぜそう素直じゃないんだ」
「あなたがそうさせないんでしょ!? なにかあれば仕事、仕事って!」
「……操」
結城さんは、うんざりと肩を落とす。
男が、一番訊かれたくないことだった。
気の毒に……と思った瞬間、結城さんは額を押さえて溜め息をつく。
「そんな顔、しないでよ! あたしだって、こんなはずじゃなかったんだから……! 自分が、こんな子どもみたいな、無様なこと口にするなんて……!」
言いながら、操は苛立ち紛れにさっきまで自分が腰かけていた椅子を床に倒した。
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