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「男って、どうしてそうなの? 結婚した瞬間から、自分の女房に興味ありませんって顔して。そういうの、“釣った魚に餌をやらない”って言うのよ!」
「……それは」
気になって、結城さんの顔を見る。
グッと息を詰めて、何も言い返せない様子だった。
この流れって、やっぱり俺、ここにいない方が……。
「男はみんな、何か勘違いしてるようだから、言ってあげる。優しさで女を釣り上げたなら、自分のものにしたらもっと優しくしなきゃいけないのよ。“特別”ってそういうことでしょ。違う?」
「……いや」
「認めるのね。あたしに謝れって言うなら、あなたが先に謝ってよ。あなたを信じて、ついて行こうって思ったこのあたしに、謝ってよ!」
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