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喚く操を見ながら、思わず溜め息をついた。
わざと大きい声を出して吐いたものだから、操と結城さんはハッとこっちを見る。
そのふたつの視線に臆することなく、口を開いた。
「……くっだらない」
「……え!?」
操が、訝しげに眉根を寄せる。
そのまま、舌打ちでもしてしまいたい気分だった。
「くだらないって、そう言ったんだよ」
操と視線が交わる。勢いづいていた彼女は、俺と目が合うなりビクッとたじろいだ。
そのあからさまな態度も、頭にくる。
俺にはそうやってしおらしくするくせに、結城さんには言いたいことをポンポン言う。
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