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「……そう。雨の中、悪いんだけどさ。俺の着替え持って、来てくれない? 細かい場所は、すぐにメールするから」
『ううん、いいよ。大丈夫。そういうとき、ちゃんと呼んでくれるの、嬉しい』
少し昂ぶった芽衣の声に、ふっと笑いが漏れる。
「じゃあ、頼むな。フロントには、連れがもう一人来るってちゃんと言ってあるから、上がり方判らなかったらそこで聞いて」
『判った。シロちゃん、落ち着いて待っててね』
「ああ、芽衣こそ、気を付けて」
そうして電話を切り、公式の地図アドレスをコピーして、芽衣に送った。
その瞬間くしゃみが出て、結城さんに「大丈夫ですか」と訊かれた。
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