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ふいに、さっきの結城さんの声が脳裏によぎる。
“折檻”という言葉の持つ可能性に、ふとほくそ笑んでしまう。
この前から、立て続けに俺が芽衣を虐めてるんだ。そろそろ、逆があってもいい。
何か期待しているような自分に気付いて、思わず苦笑する。
俺、わりと本気でヤバいかも知れない。
すると、小さく部屋のドアがノックされる。
出ると、そこにはベルボーイに連れられてやってきた芽衣が立っていた。
「木島さま、お連れ様ご案内いたしました」
「あ、どうも。すみません」
ぺこっと頭を下げると、ベルボーイは軽く微笑み、自分の仕事に戻っていく。
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