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「“ミサオ”さんのこと判ってるの、シロちゃんだけなの？」
「いや、そんなわけないだろ」
「シロちゃんはそう思ってても、“ミサオ”さんは違うのかも知れないよ？」
「だとしても、俺にそんなつもりはないし、確認しようとも思わないよ」
見えなくても、芽衣が目の前で不満そうに口唇を突き出したのが何となく判った。
突き出したその口唇が見えたら、食いつきたくなるんだろうな。
「芽衣」
「なあに」
「怒ってる？」
「別に、怒ってない、けど……」
歯切れの悪い言い方で、感情をあらわにしてしまったことへの気まずさを感じた。
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