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「俺が、それをどうでもいいって思ってるから」
「……? どういうこと」
「俺が彼女の一番の理解者だったとして、それを俺が嬉しいと思わなければ、何の意味もないだろ?」
「“ミサオ”さんは嬉しいかも知れないじゃない。それを、心の拠り所にしてるかも」
「それでも、俺が欲しいのはそれじゃない。俺の中にいるのは、あいつじゃない」
「……それは、判るけど」
「いいや、芽衣、判ってない」
「何が」
目を閉じたまま、たった今発せられた芽衣の声を頼りに、彼女の口唇に口付ける。
「ん、んんっ!?」
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