当てられて、中てられて。

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   芽衣はぐっと息を呑むと、そのまま押し黙る。  沈黙は肯定と勝手に決めつけ、俺は続けた。 「今思ったけど、俺、確かに操と寝たかったよ。諦めることもできないで、ずっと好きだった」 「……それで?」 「でも、考えてみたら情けないことに、あいつに望むことなんて何もなかった。抱きたい抱きたいって妄執ばっかりで……いて」  足を踏まれた。やっぱり、足癖が悪い。 「でも、芽衣にはいっぱい望んでる」 「何よ……」 「やらせて欲しいし、色々して欲しいし。笑って欲しいし、泣いても欲しいな」 「矛盾してない?」 「叱りたいし、叱られたいし、理解したいし、して欲しい」 「煩悩の化け物じゃない、それ」 .
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