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操の、涙混じりの叫び。
それで、結城さんにはもうすっかり判ってしまった空気があった。
自分のしたことだし、こういうことになり得る、という想像だけはしていた。
だから、潔く殴り倒される覚悟を、俺もしたんだ。
だが、俺が想像していた以上に結城さんはインテリで、できた男性だった。
彼の瞳が、傷付いたのが判った。
でも、それを操や俺にぶつけることはなかった。
ただ、「3人で、話をする必要がありますね」と穏やかに言ったのだった。
さっき、俺のことを「誰だ、あんたは」と問うた素の顔を、すっかり覆い隠して。
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