当てられて、中てられて。

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   一瞬声を上げてから、結城さんはハッとして俺を振り返る。 「すみません」と頭を下げられても、いえいえーとか和やかな返事をするわけにもいかず、とりあえず首肯で応じた。 「たった一度や二度!? 浮気は浮気よ! それに、回数の問題じゃないでしょ!?」 「そうして俺を責めたいのなら、なぜ自分も同じことをするんだ? 俺は、自分が悪いと思ったからじっと耐えてるんだ!」 「何が耐える、よ! 男だけが耐えてると思ってんの!? この、おたんちん!!」 「おたん……」  思わず結城さんの言葉が止まる。  操の思わぬ語彙に呆気に取られて見ていると、結城さんの握った拳がわなわなと震え出していた。  DVに発展してはいけない、と止める準備だけはしておこうと思ったときだった。 .
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