選択肢なんて、あるわけない。

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   雄星は昔、この広樹さんの後輩として働いていたことがあるらしい。  道中、俺から店の名前を聞くなり「話の仕方さえ間違えなきゃ、イッパツで解決する」とやたら自信満々に言っていたが、そういうことか。  このホストクラブの経営者は広樹さんだが、開店当時から別の人間に委託しているらしく、彼は開店前に色々なチェックをしに来るだけだから帰ってしまわないうちに、と雄星は急いだようだった。  エレナちゃんを事務所の隅っこに座らせ、俺達は3人でソファーに腰かけてことの経緯をまとめて話していた。  3人が揃って煙草を咥えているものだから、何となく景色が白い。 .
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