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~変化~
雄一と距離を置いてから1ヶ月。
美沙は平穏な毎日を過ごしていた。
取引先の1つである雄一との仕事は、展示会で一区切りついていたため顔を会わせる機会は少なかった。
「今日さ、久しぶりに飲みに行かない?」
望がみんなを誘った。
「行こう!
いつものメンバーな」
営業の田辺と山崎、望と美沙は近場の居酒屋へと移動した。
「美沙ちゃん、最近雰囲気変わったね?」
「そっそうですか?
ちょっと落ち着こうと思って…」
美沙は以前、女の子らしいフェミニンな格好が多かったが、ストーカー行為にあってからは、目立たぬ様スーツを着ることが多くなった。
「いや、前の格好も可愛かったけど、スーツ姿も良いよね~
色気が出ててさ」
にやけた笑顔を見せながら話す山崎に、田辺は頷いた。
「俺も彼女いなかったら、美沙ちゃんに迫っちゃうとこだよな」
「やめろよ田辺!
今夜は俺が美沙ちゃんを口説くんだからさ~」
山崎はそう言って、美沙の横に座った。
「あれ?
あの人達、取引先の……」
望が言うより先に、美沙の視界に雄一の姿が目に入った。
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