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~秘密の彼女~
「雄ちゃん?
どうしたの?」
ボーっとしている雄一に美沙は声をかけた。
「いや……
美沙の手料理美味しいよ。
毎日食べたいくらいだよ」
「ありがとう……
沢山食べてね」
赤く頬を染めて照れる美沙をみながら、俺は微笑んだ。
美沙と付き合い初めて一年。
今までにないくらい順調な付き合いだ。
前任の担当者が辞めたため、美沙の会社の担当に俺がなった。
初めは可愛くて良い子だなって思った。
でも一緒に仕事を続けていくうちに分かった。
納得いく物が出来なければ、いくらでも時間をかける。
芯が強くて……頑固だった。
俺はそれなりにモテたけど、美沙は全く媚びなかった。
いつも自然体でいたから、居心地が良かった。
美沙を狙う男達は多かったけど、俺が彼氏になったんだ。
「雄ちゃん……
ニヤニヤして気持ち悪いよ」
(なんてハッキリ言うんだ……)
「美沙ちゃん……傷ついた……」
そう言うと美沙は笑いだした。
狭い業界内だから、交際してるのは秘密だけど仕方ない……
公にする時は結婚する時だな。
俺は……
この穏やかで幸せな日々がずっと続くと思っていたんだ。
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