10人が本棚に入れています
本棚に追加
~差出人不明~
「はぁ~疲れた」
美沙は仕事を終え、買い物をしてから帰宅した。
ブルルル……
鞄の中から携帯を取り出すと、画面には
浅井 雄一(あさい ゆういち)
とあった。
ピッ
「美沙?今どこ?」
「今家に着いたよ~雄ちゃんは?」
美沙は荷物を片付けながら、彼氏の雄一と話を続けた。
「あっ……」
鞄から、朝の封筒が出てきた。
「雄ちゃん、朝手紙くれたでしょ?
名前書いてないから、一瞬分からなかったよ」
「えっ……手紙って何?」
雄一の返事を聞くと、美沙は固まった。
「……雄ちゃんじゃないの?」
「何?なんて書いてあったの?」
「いや、ただのイタズラかもしれないし、大丈夫!
それより、今夜は金曜だし泊まりにくるの?」
「今仕事が終わったから、これから行くよ。
どっかで待ち合わせて食べに行く?」
「ううん。
さっき買い物して帰って来たし、作って待ってるね」
美沙は嬉しそうに電話を切ると、持っていた封筒を破いて捨てた。
「…ただのイタズラだよね。
さて、夕飯の仕度しよ~」
最初のコメントを投稿しよう!