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~訪問者~
ピンポーン
何度かインターフォンが鳴ったが、美沙は動けずにいた。
「美沙~?いないのか~?」
雄一の声がして、ハッとした美沙は玄関のドアを開けた。
「美沙の好きなケーキ買ってきたぞ」
美沙は玄関先で微笑む雄一に抱きついた。
「どうしたんだよ?」
「雄ちゃん……
手紙が……」
雄一は、美沙をなだめながら部屋の中に入った。
「なんだよ、これ……気持ち悪いな。」
「この前も似たような手紙が鞄に入っていたの……」
「手紙……俺が預かっておくよ。
もしストーカーなら、証拠になるし」
雄一は、封筒を鞄に入れた。
「雄ちゃん……今日泊まってくれる?」
「美沙がそうして欲しいなら一緒にいるよ」
雄一は美沙を抱き締め、落ち着かせようとした。
美沙は雄一の腕の中で、まだ姿の見えぬストーカーの影に怯えていた。
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