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~半同棲~
それから、毎日のように手紙が届くようになり、二週間が過ぎた。
美沙の家で、届いた手紙を袋にいれる雄一は話を切り出した。
「美沙…
考えたくないけど、会社の人じゃないのか?」
「えっ…
そんな訳ないと思うけど…」
美沙が勤める会社は地下から3階まであるが、地下には機械が置かれ、1階はショールーム兼打ち合わせ場所、2階は事務所、3階は倉庫になっていた。
美沙達従業員が着替えられるのは、ロッカーが置かれている2階の給湯室だけだった。
「給湯室は誰でも出入り出来るけど…
でも、そんな事をする人いないよ」
美沙の会社には、営業事務の美沙と望、営業の男性二人に、地下の作業室の年配の男性が二人、経理の女性と専務と社長だけだった。
「営業の男性は二人とも彼女がいて、
作業室の男性は二人ともおじいさんで孫もいるし、
専務も社長も結婚してるよ?」
「じゃあ、社内の人ではないか……」
二通目の手紙が届いてから、毎日雄一は美沙の家で寝泊まりしていた。
テーブルのコーヒーを飲みながら、雄一は言った。
「美沙、知ってると思うけど、俺明日から出張でいないけど大丈夫か?」
「うん……大丈夫だよ。
何かあったら、望に泊まってもらうし」
「何かあったら、すぐに電話しろよ?」
その夜、美沙の不安を拭うように雄一は美沙を抱いて寝た。
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