第1話

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プロローグ  俺がこのゲームを始めたのは、ちょっとした好奇心からだった。  スマートフォンの画面に映るピンク色のネコのキャラクターは説明を始める。 「このゲームにようこそにゃ! この携帯またはスマートフォン用ソーシャルゲームは現在存在するどのゲームにも使われていない、ある機能が搭載されているのですにゃ。天才物理学者が開発に協力した、世界をも驚かす最新システムを世界で初めて使用されたのです!  プレイヤーには絶対の安全を保障するにゃ。危険なことは一切にゃい! 楽しんでもらえること間違いなしですにゃ!  それではこのゲームの詳しい説明に入る前に、あなたの設定を教えてください。次の空白に性別、年齢、出身地、職業のご記入をお願いするにゃ」  ネコ風な語尾に意識しすぎて中途半端になっている敬語に若干の違和感を抱きながらも、その説明を読み、俺はサクサクと作業を進めていく。  そして『性別・男、年齢・十九歳、出身地・千葉県、職業・大学生』とすべての記入事項を終えると決定ボタンを押す。すると画面が新しく切り替わる。 「ご記入ありがとうにゃのだ。それではすでにご存じかもしれにゃいがこのゲームがどういうゲームなのか、詳しく説明するにゃ。にゃんとこのゲームは……」  最後まで読むと長くなりそうなので俺はそこで説明を飛ばした。このゲームのことはよく知っている。  このゲームのタイトルは『恋ツク』。世界を驚かせるほどに進化した、とある技術を使用した恋愛シュミレーションゲームの名前だ。
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