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俺と兄は家を出た。
俺と兄は聖アモス学園に通っている。
聖アモス学園は小中高一貫の学校であり、近くには聖アモス大学校が建っている。
『いやー、公正がわざわざお兄ちゃんを起こしに来るなんて感動したよ。映画化決定!』
『ハイハイ兄貴ソーデスネ』
ちなみに俺は高校二年、兄は高校三年だ。
兄は刀を釣り竿と偽り学校に持ち込んでいる。比較的ばれそうだが何故か平気なんだ。何故なら兄以外にも持ち込んでいる人がいるんだ。暗黙の了解があるのだろう。
『じゃあな公正よ、お兄ちゃんとはしばしのお別れだ!』
俺は兄と別れ、自分の教室に入った。
『よお、こう!』
こいつは腐れ縁の男友達。
名を裕也、ニックネームはゆうやんだ。
ゆうやんは俺の後ろの席であり、野球部でいがぐり坊主、確か能力は情報収集タイプ。探し物が得意でたまに大活躍する。
そういえばもう一つ、能力は絶対に秘密にするのが暗黙の了解である。
小学生の頃に友達に何の能力持ちかと聞いたら、そんなものは無いとバカにされたりはぐらかされた。しかし影では友達全員がそれぞれこっそり能力を使っていたから、俺はそういうものかと思い秘密にすることにした。そして見ても見なかった事にするのには慣れた。ちなみにランク付けは俺が勝手に付けたものだ。ちなみにゆうやんはランクBだ。
『ゆうやん、また転校生が来るんだって?やっぱり美少女かな?先週と先々週は謎の無口な男子が転校してきたし』
『そうだな、でもその前は美少女が連続五回も転校してきたぜ』
『まさかの田中君に五人も美少女が言いよるなんて。リア充もげろと思ったよ』
『こう、隣のクラスの佐藤は毎日ラッキーすけべ発動して、さらにハーレム形成してるぜ………』
『マジでか……』
『マジ』
そして少し経ったら先生と転校生の足音が聞こえてきた。
ガラガラッピシャ。
『はい、朝のホームルーム始めますよ。まずは転校生の紹介です。外国人とのハーフで美人です。入って来なさい!』
入って来た娘は金髪で少し薔薇の香りがした。その娘はコッチを見た瞬間にびっくりした表情で固まってしまった。
『カナデさん?どうしましたか?カナデさん?』
次の瞬間こっちに手を伸ばして走ってきた。
『久しぶり、ダーリン!』
マジでか、俺にこんな日が来るなんて!おれは神に感謝した。
しかし彼女は俺の前を通り過ぎ、後ろの席の驚き顏のゆうやんに抱きつきキスをした。
……リア充もげろ。
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