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◇◇
4人だけだからなのか、牧野さんも陽ちゃんもすっごく表情が柔らかいまま。
さとみも嬉しそう。
バカ話しながら飲むお酒は楽しくて、いつの間にか時間は夜中。
いつもは最後まで起きている牧野さんが、かなり酔ってる感じ。
「牧野さん酔ってるでしょー?」
「ん?そうかもなー。昨日あんまり寝てねーしな」
あらら。
「斉藤さんも酔ってるでしょー?」
さとみも聞いてるし。
「酔ってるよ。昨日あんまり寝てねーしな」
2人して同じ事言わなくても…
「でもまだ平気。飲むぞー」
「あぁ」
ふぅ。やっぱり強いよね。この2人。
私はお酒を薄めに作って、ゆっくり飲むことにした。
このままだと、たぶん片付ける人居なくなりそうだもんね。
「さとみ、デザート食べる?」
「食べる!」
「はーい」
空いたお皿を下げつつ、冷蔵庫で冷やしておいたフルーツポンチと取り皿を持っていく。
「七瀬ちゃん、ちゃんと呑んでる?」
「飲んでますよ-」
「ならいいけどさ」
ペース落としただけなのに、気づくんだよねぇ牧野さんって…。
「それよりほら、牧野さんも飲んでくださいね。酔ってる牧野さん貴重だからもっと見たいですよ」
「なんだそれ」
そこ突っ込むのは陽ちゃんなのね。
「気をつかってない証拠でしょ?いいじゃん。リラックスして楽しく飲めてるんだもん。もっともっと酔っちゃえばいいんだよ。たまにはそういうのもありでしょ」
「陽平飲むぞー」
「あぁ」
牧野さんすっごい嬉しそう。
あ、灰皿がいっぱい。
取り替えなきゃ。
ビールの缶もカラなのが転がってる…
とりあえずキッチンに…
「七瀬大丈夫?」
「ん?大丈夫だよ。さとみも飲んでていいよ」
「七瀬ってさぁ、すごいよね」
「は?なによ急に」
急にそんなこと…
「周りが酔うと冷静に動くよね」
「そお?」
「そうだよー」
そうなのかー。
「みんなが楽しく飲んでるんだからいいじゃん。私も楽しいよ。ほら、戻って」
「うん」
「七瀬」
「ん?」
「タバコ貰う-」
「いいよ」
陽ちゃん自分のやつなくなっちゃったのね。
予備に買っておいたやつ出してあげよう。
「陽ちゃん、はい」
「ん?あーサンキュ」
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