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「やっぱりそれ、恋よ。」
まるで雷が落ちたかのような衝撃に見舞われた。そうか、この一連の胸のどきどきも顔の熱さも皆、恋のせいだったのか。
姉さんに言われたことがすとんと胸に落ちたのとは裏腹に、私は嫌な汗が吹き出るのに気付いていた。
心臓が早鐘を打ち、息が苦しい。
なぜなら、今まで私が思い浮かべていた相手は小野寺麻衣子という少女で、同性で、親友の彼女だったからだ。
「姉さん。」
「んー?」
「これは、本当に恋なのかしら。」
「私はその症状のことを恋以外の何かだとは思えないけどね。」
さらに追い打ちをかけられて私は今すぐ胸を押さえてうずくまりたいような衝動に駆られた。
じりじりとした罪悪感が私を襲う。罪悪感と、後悔と、胸の痛みがいっせいに襲いかかってきて死んでしまいそうだった。
「姉さんそれは、」
「ん?」
「…いや、なんでもない。ごちそうさまでした。」
最後に口の中に入れたハンバーグはいつもと変わらずおいしいはずなのに、なんの味もしなかった。
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