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小野寺麻衣子は完璧である。
容姿端麗、才色兼備、完全無欠の彼女が私に興味を示したのは、きっと趣味と性格が合ったからだとしか言えないだろう。
気怠い授業を終え、特に部活に入っているわけではない私は四階の端の空き教室へ向かった。
生徒会の倉庫と化しているそこは汚さないという前提で先代生徒会長が貸してくれた場所で、少々手狭だが居心地がよかった。
暖房すらろくに入らない教室は寒い。女子生徒が持つには少し重たいストーブを引っ張ってきてスイッチを入れる。年季の入ったストーブは怪しげな音を立ててしばらくすると徐々に暖かい風を吐き出し始める。教室全体が暖まるまでには後五分ほどかかるだろう。
その辺に鞄を放って窓際の席に腰掛ける。向かい合うように付けられた二組の机は私がここを先代から譲り受けた時にはもうすでにその形になっていて、特に手を加えていない。
机の中央にボードを置いて、駒を並べる。そこまで来るともうすることもなく、私は本を開いた。
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