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…好きなことは読書で、嫌いな物は面倒くさい奴。…真面目だな…。 ぶつかったときはそんなこと思わなかったけど取っつきにくそうな人。 私なんて一番面倒くさいタイプだから嫌われるだろうな。 「結香は無理だな。」 小さくコクリと頷く。 「え?」 「結香は存在その物が面倒だからね。」 …一生、酷い。 一生がそう言うのも分からなくないから否定できない自分が恐ろしい。 さーちゃんにも口癖のように面倒くさいと言われる。 「はい、次。」 ぽーけーとしていると一生が肘で横腹を押してくる。 「なに?痛いよ。」 「はぁ、結香の番だけど?」 「へっ?あ、すいません!!」 勢いよく立ち上がると座っていた椅子がひっくり返り大きな音を立てた。 「あっ、ああぁー」 私の失敗にクラス中が笑う。 「あはははは…あは…」 「えーと…実原結香です。西中でした。えーと、好きなことは食べること、好きな食べ物は今まで食べたもの全部…」 クラス中からもっと勢いよく笑いがおこる。 「あっ、全部…じゃダメだ。えっと、あっ、特に大福?が…うん。好きです!!宜しくお願いします。」
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