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「エア……お前は…」
「…な、に?」
「……いや、なんでもない」
エア、お前は…本当に生きたいか? そう続けたかったが声にはならなかった。
訝しげな顔をするエアに ごめん。 と謝り維持を続ける。
一時間くらい経った時、ようやく終わった。
「……エア、終わった」
「…………ぁ、ん」
あまりの痛みにエアの頬を汗が伝う。彼は夏でもあまり汗をかかないため、少し新鮮だ。
「もう寝るか?」
「………」
無言でコクリと頷く。
寝室まで連れていこうか迷ったが、この部屋にもシングルだがベッドくらいはあるため、そのベッドに寝かせる。その時にエアはもう眠っていた。
そんなエアを眺める。
本当に俺は正しかったのか?エア……お前はそんな痛くて苦しい思いをしてまで生きたいか?もし生きたいなら、何の為に?
俺には……分からないよ、エア。
そう心の中で呟き、汗で貼りついた前髪を横に流す。そのまま部屋の電気を消し、自室を後にした。
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