第10章 49話 副作用

3/11
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/50ページ
「エア……お前は…」 「…な、に?」 「……いや、なんでもない」 エア、お前は…本当に生きたいか? そう続けたかったが声にはならなかった。 訝しげな顔をするエアに ごめん。 と謝り維持を続ける。 一時間くらい経った時、ようやく終わった。 「……エア、終わった」 「…………ぁ、ん」 あまりの痛みにエアの頬を汗が伝う。彼は夏でもあまり汗をかかないため、少し新鮮だ。 「もう寝るか?」 「………」 無言でコクリと頷く。 寝室まで連れていこうか迷ったが、この部屋にもシングルだがベッドくらいはあるため、そのベッドに寝かせる。その時にエアはもう眠っていた。 そんなエアを眺める。 本当に俺は正しかったのか?エア……お前はそんな痛くて苦しい思いをしてまで生きたいか?もし生きたいなら、何の為に? 俺には……分からないよ、エア。 そう心の中で呟き、汗で貼りついた前髪を横に流す。そのまま部屋の電気を消し、自室を後にした。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!