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「ん?」
「貴方の事」
「はは、この顔?それともスタイルかセンス?」
「……」
左手だけハンドルにかけて、初見さんはちらっと視線を流して来た。
「大変だと思ってたんです。
色々やり辛いだろうなって。
でも、それも逆手にとれる貴方の性格と遠慮なしに意見を言ってくれる同期」
「あぁ、そーね。
それは俺も恵まれたと思った」
「……先輩が貴方の事褒めてましたよ」
「うっそだぁ?」
「覚悟して入って来たんだから凄いって」
「へぇー」
「まぁ、人間性は否定してましたけど」
「はは」
左側にいる初見さんは口も押さえず大きな口を開けて「さすが」と笑った。
「木崎のあだ名聞いたことある?」
「……おきさき様の事ですか?」
「そーそー。由来は?」
「姫っていうより、きさきっぽいから?」
「あぁ、確かに。
あいつが研修終わって半年位地場ゼネコンが強い地方に居たんだよ。
その支店受注率凄い低かったんだけど、あいつが関わった物件の受注率がなんと100%だったの」
「……」
「もちろんあいつは先輩の下に着いてただけだから、直接的に何かしたわけじゃないけどね。
神様、仏様、おきさき様って崇められてたよ」
「だからおきさき様」
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