第3話

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前を歩いていた父は立ち止まり振り向いた。 「木崎知和だろ?」 「……」 「優秀な人間だと聞いている」 「……」 「それに、あまり人と関わるのが得意では無いらしいな」 「そこまで……よくご存知で」 ふ、と溜息が漏れるような笑いが出た。 「変に関わるな、情が出る」 「分かってます」 「まぁ、社員1人位動かすのは簡単だけどな」 そう言った父の口元は笑っていたが目は笑っていなかった。 「…………」 自分も相当だと思っていたけれど 父は血が通っていないのでは無いかと思う程の人。
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