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人を好きになるという事がどういう事かなんてよく知らない。
知らなくていいんだ。
知りたくもないし。
一度寝た人とは二度と会わない。
二度目があれば、三度目があり、それが続けば情が生まれてしまう。
情ほど厄介なものはない。と、父によく言われていた。
そう言われて育つとそうなってしまうんだ。
日が昇り始めた朝7時、大通りに出てタクシーに手をあげる。
煌めく朝日とは裏腹に、気持ちがどろどろに沈んでいく。
からっぽだ。
これから先も俺の人生は外見だけ飾られて中身の無い、そんな張りぼてだ。
家に帰ったらもう一度シャワーを浴びよう。
すべて洗い流そう。
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