第2話 再会はさんかく。

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19階にある食堂へ向かうために、2人はエレベーターホールへ向かった。 途中、15階で高層階用のエレベーターに乗り換えなければならないため、少し面倒くさい道のりである。 絨毯の上を歩きながら、千佳子は何とか会話をしなければと冷や汗をかいていた。 「パソコンの設定、大変ですよね。まだかかりそうですか」 「いえ、先程終わりました」 あっさりと圭が答える。驚きのあまり、千佳子は何度か瞬きをした。 「随分早いですね。私なんて、1日きっかりかかりましたよ」 「たまたまですよ」 「…」 お昼は社員が一斉にエレベーターを利用するため、中々来ない。 エレベーターホールには社員達の列ができていた。がやがやと賑わいはじめる空間とは対照的に、思うように会話を続けることができず、千佳子は焦りを感じていた。 いつもの自分らしくないということはわかっている。そしてその理由もわかっていた。隣にいるこの人は、あの幼馴染なんだろうか。 その疑問だけが自分の頭を支配している。尋ねれば簡単にわかることなのに、尋ねられない。何を躊躇っているのだろう。 「あのっ」 手のひらに爪が食い込む。握りしめた右手が少し湿っていた。 「千佳子っ!」 跳ねる声。振り返ると、梨花がにっこりと笑っていた。
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