イベントと弟

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あの日から毎日掃除時間以外にも話しかけたりしてみたが、いつも通りの無機質な表情で軽くあしらわれるだけだった。 でも、あしらわれるだけでも前よりは口数が多くなった…………気がする。 それでも一ヶ月が経ち七月に入り、掃除場所は変わり、話す機会がぐっと減った。 なんてことを秋彦と話していたら、咲良が弁当を持って机を寄せてきた。 「大丈夫だよ。あのイベントがあるけん」 「あのイベント?」 「去年も行ったやん。野外学習だよ」 「なんだ?その取って付けたようなイベントは…」 「あぁ…優姫は去年来てなかったな。夏風邪かなんかで」 「“取って付けたような”なんて言ったら駄目だよ…」 「で?どんなことするんだ?」
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