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「だったら、俺の弁当食べる?」
「結構です」
俺は立ち上がり、少しづつ松山さんに近づいていく。
秋彦は自分の弁当をガツガツと食べていた。
ちったぁ空気読めよ、アホ。
「中身は冷食だらけだが、味は保証するぞ」
「結構ですってば!」
松山さんはまだ少し頬が朱に染まった顔をこちらに向けて、少し荒げた声で言った。
薄茶色の綺麗な瞳がこちらをしっかりと見つめていた。
「それに男から貰ったら、後で何を要求されるか分かりませんから」
「いやいや、普通の厚意だって。見返りなんていらないよ」
「男はみんな狼よ」
「俺を男代表にしないでくれ……それに、授業中に腹が鳴ったらお前だって恥ずかしいだろ?」
「うぐっ」
「ほら。俺は神島優姫。よろしく」
「俺は城山秋彦だ。よろしくね?」
ちゃっかり秋彦も自己紹介を済ませる。
俺の苦労を利用しやがって…。
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