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──あたしがシロちゃんに秘密を抱えることになったのは風俗の仕事、最後の日に起きた事件のせいだった。
少し前から、常連のお客さんには伝えてあった。
あと数日で辞めるから、もう会えないですよ、って。
妖しいマゼンタのお部屋で、決して交わらないけど恋人みたいに過ごすのが風俗嬢とお客さん。
惜しんでくれそうな人にはちゃんとお話しておいた。
その中のひとりが、あたしに対して本気の妄執を抱えていただなんて気付かなかった。
普通に、接してくれていたから。
時間通り、いつものプレイ、いつもの流れでお客さんが終わって、あたしの仕事も終わる──はずだった。
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