本当の渇望の在処。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚  ──あたしがシロちゃんに秘密を抱えることになったのは風俗の仕事、最後の日に起きた事件のせいだった。  少し前から、常連のお客さんには伝えてあった。  あと数日で辞めるから、もう会えないですよ、って。  妖しいマゼンタのお部屋で、決して交わらないけど恋人みたいに過ごすのが風俗嬢とお客さん。  惜しんでくれそうな人にはちゃんとお話しておいた。  その中のひとりが、あたしに対して本気の妄執を抱えていただなんて気付かなかった。  普通に、接してくれていたから。  時間通り、いつものプレイ、いつもの流れでお客さんが終わって、あたしの仕事も終わる──はずだった。 .
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