きみと何を重ねようか。

10/38
前へ
/38ページ
次へ
  「お前もお前だよ、のこのこ来るやつがあるか」 「でも、これは私とお母さんの話だったから……」  ごめんなさい、と最後に付け加えるあたり殊勝な態度だが、口で言うほど悪いとは思ってないんだろう。  それが今にも笑い出しそうな口元に現れている。 「それで、なんで俺が呼び出されたわけ」  じろ……と母ちゃんを睨んでやる。すると、梓は肩をすくめた。 「ご結婚、おめでとう。お母さんから聞いて、お祝い」  梓は眉尻を下げながら、ととん……と横に置いてあった青い包みの箱を軽く指先で叩く。  母ちゃんは俺の前で腕組みしながら、溜め息をついた。 .
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

107人が本棚に入れています
本棚に追加