きみと何を重ねようか。

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  「まあ、ありがとう。悪いな、言うのが遅くなって」 「いいのよ。お節介だったんだろうから。お礼なんてなくても、放置されてても。あなたが幸せなら、ぜぇんぜぇん」  にっこり笑った梓の顔に底知れない冷たさを感じて、背中がゾクッとした。  あのあとのことを報告しなかったこと、しっかり根に持っている。 「……悪かった」 「何、あなた梓ちゃんに何かしたの」 「いえ、何でもないんですよ。司郎さん、今の奥様と少しこじれてしまっていて……その間に、立たせてもらいました」 「司郎! あなた、あれだけ尽くしてくれてた梓ちゃんに、なんてこと!」  母ちゃんの顔が真っ赤になったので、俺はそのまま差し出された箱を受け取ってさっさと逃げ帰った。 .
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