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「なあに、これ」
玄関まで迎えに出てきた芽衣に、持っていた箱を押し付けて靴を脱いだ。
「結婚祝いだと」
「お祝い? 誰から? お返ししなくちゃ」
咄嗟にその言葉が出てくるところに、若いのに……と感心する。
嫁として芽衣に施す教育なんて、何もない。
聞けば聞くほどヤンチャな10代だったというのに、どうやってこんな貞淑な女に育ったのか、俺には全く判らない。
とてとて……とすぐうしろについてきた芽衣は、俺とは違うことが気になるようだった。
「ねえってば。誰なの」
その声色で、恐ろしく勘がいいな、と思った。
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