きみと何を重ねようか。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「なあに、これ」  玄関まで迎えに出てきた芽衣に、持っていた箱を押し付けて靴を脱いだ。 「結婚祝いだと」 「お祝い? 誰から? お返ししなくちゃ」  咄嗟にその言葉が出てくるところに、若いのに……と感心する。  嫁として芽衣に施す教育なんて、何もない。  聞けば聞くほどヤンチャな10代だったというのに、どうやってこんな貞淑な女に育ったのか、俺には全く判らない。  とてとて……とすぐうしろについてきた芽衣は、俺とは違うことが気になるようだった。 「ねえってば。誰なの」  その声色で、恐ろしく勘がいいな、と思った。 .
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