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「なんか、母ちゃんが女同士で顔合わせて話がしたかったらしくて。俺、梓にまだ言ってなかったし」
「何を?」
「さ……結婚、したって」
思わず再婚と言いかけて、あまりに自分に似合わない響きだったから引っ込める。
すると、芽衣の瞳が好奇心に満ちてくるりと輝いた。
え、なんで?
「言ってなかったの? どうして?」
「いや。世話、かけたろ……そんで、まんまとお前を嫁に貰ったとか、なんか」
「梓さんの思うつぼみたいで、嫌だったの?」
芽衣はすっかり見透かしたような顔で、クスクスと笑い出した。
よかった、判ってはいたけど怒ってない。
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