きみと何を重ねようか。

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  ゚・*:.。..。.:*・゚・*:.。..。.:*・゚ 「……どういう風の吹き回しだ」  昼に母ちゃんから電話があって、帰る前に少しでいいから寄ってくれと言われて来てみたら、これだ。  まだ布団が掛けられていないコタツの奥の場所に、梓が座っていた。  俺を見て「はーい」なんて言いながら、手をひらひらさせている。 「お前、この状況、判ってる?」  動揺を表に出さないように訊ねると、梓を遮るように母ちゃんが俺の前に立ち塞がった。 「私が、来てもらったの。どうせあなた、ちゃんと話もしてないんだろうと思って」 「別れた女に何を話すの」 「まあまあ……」  結婚していた頃、母ちゃんと仲の良かった梓は眉をハの字にしながら、それでも遠慮なく話に割って入ってきた。 .
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