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ほとんど川村が1人で喋っている声を聞きながら、なんとなく返事を返す。
昔から俺の生返事に慣れっこのあいつは気にもしない。
結局話なんてほとんど頭に残らなかった。
電話を切った後もしばらく携帯を握りしめたまま動けなくて。
いつもは思い出したりしないのに。
あいつの声で高校生の頃の出来事を思い出した。
透との確執を深めたあの出来事を思い出すなんて。
さらに子供の頃のことまで。
リビングのソファーに深く体を預けてため息を吐く。
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